華麗なる誘惑 ★★★☆☆

全50話

このドラマに善人はいない。国を動かす権力を巡り、繰り広げられる復讐劇。主演は、癒しの王子チュ・サンウクと、「7級公務員」のチェ・ガンヒ。そして、チュ・サンウク演じるチン・ヒョンウとの三角関係を繰り広げる女優がチャ・イェリョン。このドラマで、独身を貫いていたチュ・サンウクとチャ・イェリョンの熱愛が報道されたことで話題になったドラマです。

物語は子供時代から始まる。総理の補佐官を務める議員の息子チン・ヒョンウは、チェ・ガンヒ演じるシン・ウンスに想いを寄せている。ある日、国務総理カンの隠し子イルジュを母亡き後、ヒョンウの母が引き取ることに。ヒョンウとウンスがお互いに好意を持っていることを知りながらもヒョンウに想いを寄せていくイルジュ。ある日、国家を揺るがす文書とも知らず、カンの家で見つけた文書をウンスのバックに隠すイルジュ。その事件がきっかけで、ヒョンウの父が自殺し、ウンスの父も他界し、ウンス一家は故郷を離れることに。
それから数年後、ある男と結婚しているウンス。身重の彼女に再び不幸が訪れる。夫の突然の死と、ウンスが務める会社の金を横領した罪をきせられ、刑務所入りとなってしまう。これが復讐劇が始まるきっかけとなる物語の冒頭部分。

更に数年後、カンの娘として次期総理を狙うイルジュと議員補佐官のヒョンウが恋仲に・・・。出所したウンスは、夫の死の真相を探るためにカン元総理の家に使用人として潜り込み、そこでヒョンウとイルジュに再会する。
3人の再会を機に、一気に復讐劇の様相が強くなっていく本作。このドラマの大きな特徴は、登場人物たちの心情が読みにくい点でしょう。一体何を考えているのか、敵か味方か?ドラマの後半まで視聴者を煙に巻くような展開が多い。
主軸となる3人以外には、イルジュの異母兄弟の兄イルド夫婦、異母姉妹の姉・イルラン。ヒョンウと共に亡き夫の復讐に燃えるヒョンウの母、そしてカン元総理に、カンと対立する太平洋日報社のトップ、クォン・スミョンとその息子ジュニョクとムヒョクが重要人物として登場する。更に、本作で唯一汚れなき善人を演じるのがウンスに想いを寄せ、やがてカンの娘イルランと関わりをもつことになるウンスのバイト先食堂の社長マ・オグァン。復讐劇のサイドで描かれるイルランとオグァンのエピソードが少しだけ心癒される瞬間です。
マ社長以外は、誰も清らかな善人とは言い難い。普通は、主人公のウンスとヒョンウは善人のはずなんだけれど、どうにも共感できないし、同情もできない。結局は、自分の立場を主張しているにすぎず、相手のことを思いやっているように見えつつも実は自分中心の思考だったりするのです。特にウンスに関しては随所でイラッとくるキャラクター。数奇な人生ではあるけれど、その人生に翻弄されているうちは同情できたとしても、その運命を恨み復讐を初めていく過程の彼女にはどうにも共感できない。子供のため、夫の死の謎を解き明かすためとはいえ、周囲の人たちを利用しすぎだろうと、、、。こんな思いを抱くのもある意味ドラマにハマっていることなのかもしれないけれど、、、。

登場人物が多い本ドラマで特に注目してほしいのが、カン元総理と対立する立場のクォン会長。演じるのはキム・チャンワン。この俳優が悪役に回ると作品が盛り上がる。凄む怖さではなく、静かな恐さを演じると最高にハマるベテラン俳優です。更に、クォン会長の息子ムヒョクを演じるキム・ホジン。性格に異常性を持つキャラを見事に演じています。イルジュに対する執着心には背筋が凍る!!そして最後にカン元総理を演じるベテラン、チョン・ジニョン。彼の存在感がこのドラマの世界感を作り上げているといっても過言ではないでしょう。重厚感溢れる声と、物静かな喋り方が特徴の俳優さんですが、過去の恋愛へのトラウマを抱え、善と悪の間を揺れるカン総理のキャラクターを見事に作り上げています。

サスペンス的マクチャンドラマの★は、誰にも共感できなかったという観点で3つ。ちょっと辛口かなぁ、、、。チュ・サンウクが熱愛を認めたこともファンとしては悲しいかなぁ、、、。(笑)