ホ・ジュン 伝説の心医 ★★★★☆

全135話

1539年 – 1615年に実在した医者、ホ・ジュンの生涯を綴った物語で、1999年放送のドラマをリメイクしたものらしい。韓国の医術を後世に残すべく、万人が病気を予防できるよう作られた「東医宝鑑」の著者でもある。ドラマでは、権力や金儲けに注力せず、患者に寄り添う医者になることを誓い、それを全うした心医として、その生涯が描かれている。

武官の側室の子として生まれたホ・ジュンは、少年時代を卑屈に育つ。正室とその息子ホ・ソクにいじめられ、父を父とも呼べない少年時代を過ごしたホ・ジュンは、青年期には荒くれものになり、薬の密売に手を染める。そして悪事が暴かれ、捕らえられるが父の温情によって故郷を離れ、逃げ延びた地で身分を隠し細々と暮らすことに。その途中で出会い、命を助けた両班の娘イ・ダヒに想いを寄せ、やがて2人は身分を超えた結婚をする。愛する妻と母を守るため、生き抜くため、ホ・ジュンは名医と噂される開業医ユ・ウィテの元で下働きを始めることに。そしてそこで医術を学ぼうと決意し、師匠のもと腕を磨いていくのです。
ホ・ジュンが医者としてのぼりつめていく過程で、ホ・ジュンのライバルとして描かれるのがユ・ウィテの息子、ドジ。医師としての腕はいいものの、出世をすることに重きをおく医者。一方、ユ・ウィテがホ・ジュンを認めた理由は患者への愛が見えるという点。真摯に患者に向き合う姿を見守りながら、医者としての素質を見抜き、やがて息子ではなくホ・ジュンを弟子として、自分の後継者として認めていくユ・ウィテ。父に見放されたことへの悔しさと、ホ・ジュンへの嫉妬からドジと父ユ・ウィテは、絶縁状態に。
更に、ユ・ウィテに引き取られドジとは幼馴染のイェジンもまた医術を学ぶ女性で、彼女に想いを寄せるドジと、彼女が慕うジュンとの三角関係もドラマ前半で描かれていく。

ホ・ジュンを支える周辺人物としてほぼドラマ全話を通して活躍するのが、漁師のイルソとその妻、ホ・ジュンの子分のヤンテ、ユ・ウィテの一番弟子として働いているイム・オグン。ドラマティックでどこか重苦しいホ・ジュンの生涯の物語の中で、箸休め的な存在として登場する。
ユ・ウィテがホ・ジュンを後継者として認め、ホ・ジュンに全てを託して亡き人となってからは、徐々に物語の舞台が地方の山陰から都のハニャンに移行し、王室を背景にホ・ジュンが賤民の身分から両班の身分に登りつめる過程を描きます。
中盤から後半にかけての見どころは、ドジとホ・ジュンの静かな攻防。そして、自分の意思をまげず医者としての本分を全うしようとするホ・ジュンの生き方でしょう。実際のホ・ジュンがどうだったかはわからないけれど、本作でのホ・ジュンは、無骨で不器用で、言葉も少ない。世渡りが下手なタイプ。しかし、そんな彼の実直さがゆっくりと、静かに、彼に関わる人たちの心を変えていくのです。心の病を治す医者という部分がドラマの根底に描かれていることに注目したい。

歴史に名を残し、民の為に医術を後世に残そうとしたホ・ジュンの業績とその実直な生き方に勇気と感銘を受けるドラマですが、ツッコミどころがないわけではない。私が一番違和感を覚えたのはイェジンの存在。彼女の思いは片思いだけれど、不倫なわけで、本当にホ・ジュンを思うのならば、その気持ちも全部自分の中に閉じ込めよと言いたかった!笑 彼女の行動と言動に、「ホ・ジュンが好きです」と主張しているかのようなシーンがあって、その度にイラッときてしまった。wwしかも、最終話のラストシーンは、イェジンのナレーションで終了しているのですが、この言い分、、、あえて言い分といいたいわけだけれど、最後のワンフレーズが何とも理解しがたい!!
ホ・ジュンの苦労をでしゃばることなく支え続けた妻・ダヒのナレーションで終わって欲しかったぁ!!
また、100話超えのロングなドラマですが、80年近い一人の男の生涯を描くので、後半はホ・ジュンに軸をおき、できる限り周辺人物を排除していったのかもしれませんが、「そういえば、あの人は今?」みたいな人物が結構いて違和感を感じてしまった。もちろん、登場しなくなる前にそれなりの理由付けは描いているのだけれど、最終話近くでちょっとだけでも説明してほしかったかなぁ。誰がいなくなるのかは、ネタばれにもなるので、全話のドラマで確認してください。

見応え感は、名作ドラマと言われているだけに、充分満足できる内容です。